2018年10月20日土曜日

カタログ公開

単著の情報が、アラバマ大学出版のカタログに掲載されています。

http://www.uapress.ua.edu/pages/BySeason.aspx

上記のリンク先の、Fall 2018のものに掲載されています(p. 17)。なかなかお洒落なカタログです。

ゲラの校正も終わり、あとは出版を待つだけとなりました。

2018年8月28日火曜日

日本メルヴィル学会のお知らせ

来月9/8(土)に、日本メルヴィル学会の年次大会が専修大学で開催されます。特別企画として、「国際的研究の未来」をテーマに、牧野有通会長と巽孝之先生の対談が行われます。私は対談の司会を務めつつ、私自身も対話に加わる予定です。

英語で論文を書くことが当たり前のように求められ、海外でのPh.D.取得者が増えている現状で、改めて研究の国際化とは何かを考える機会にしたいと思います。「国際的」と一口に言っても、研究者それぞれにとって様々な意味があるはずです。

参加には事前申し込みが必要のようですので、詳細は以下のHPをご覧ください:https://www.melville-japan.org/

2018年7月21日土曜日

章立て


単著の情報がアメリカのBarnes & Noblesのサイトでも公開されています。こちらではTable of Contetntsまで詳しく掲載されているので、各章のタイトルなど、本の構成を以下に紹介します。

Table of Contents
List of Figures
Acknowledgments

Introduction

Chapter 1. Impure Solitude: Walden, or Life in the Network

Chapter 2. The Solitary Woman in the Garret: Race and Gender in Incidents in the Life of a Slave Girl

Chapter 3. Solitude in the Postal Age and Beyond: Melville’s Dead Letters

Chapter 4. “Alone, I Cannot Be –”: Dickinson’s Invention of Modern Solitude

Chapter 5. The Solitude Electric: Techno-Utopianism in Telegraphic Literature

Epilogue

Notes
Works Cited
Index

このように五章構成となっています。

出版自体は半年以上先なのに、あちこちのネット販売サイトで情報が公開されているのは不思議な気持ちです。今はゲラが上がってくるのを待っている状態で、ゲラが届き次第、索引を作成しなければいけません。

2018年7月6日金曜日

書影公開

単著の情報がアメリカ日本のAmazonに上がっています。値段は55ドル、日本円だと6500円とお高いですが、海外のUniversity Press のハードカバーは70ドルを超えるものもあり、そういう相場なのかもしれません。

カバーデザインも決定しました。元々は既存の写真かイラストを使う予定だったのですが、似たテーマを扱っている他の研究書もそれを使っているため、結局は使えないことに。マーケットの中で研究書を出すということは、競合する研究書と差異化を図らなければならず、自分の本が「商品」なのだと改めて思わされました。

そこで、デザイナーがオリジナルの表紙を作ってくれました。個人が孤独でありつつ、実は接続もされているという、本書の議論の基盤となっている "networked solitude" というアイディアをうまく可視化してくれていて、気に入っています。

発売は来年の二月初頭になるようです。



以下、アマゾンの紹介文をそのまま載せます:

An innovative and timely examination of the concept of solitude in nineteenth-century American literature

During the nineteenth century, the United States saw radical developments in media and communication that reshaped concepts of spatiality and temporality. As the telegraph, the postal system, and public transportation became commonplace, the country achieved a level of connectedness that was never possible before. At this level, physical isolation no longer equaled psychological separation from the exterior world, and as communication networks proliferated, being disconnected took on negative cultural connotations.

Though solitude, and the lack thereof, is a pressing concern in today’s culture of omnipresent digital connectivity, Yoshiaki Furui shows that solitude has been a significant preoccupation since the nineteenth-century. The obsession over solitude is evidenced by many writers of the period, with consequences for many basic notions of creativity, art, and personal and spiritual fulfillment.

In Modernizing Solitude: The Networked Individual in Nineteenth-Century American Literature, Furui examines, among other works, Henry David Thoreau’s Walden, Harriet Jacobs’s Incidents in the Life of a Slave Girl, Herman Melville’s “Bartleby, the Scrivener,” Emily Dickinson’s poetry and letters, and telegraphic literature in the 1870s to identify the virtues and values these writers bestowed upon solitude in a time and place where it was being consistently threatened or devalued. Although each writer has a unique way of addressing the theme, they all aim to reclaim solitude as a positive, productive state of being that is essential to the writing process and personal identity. Employing a cross-disciplinary approach to understand modern solitude and the resulting literature, Furui seeks to historicize solitude by anchoring literary works in this revolutionary yet interim period of American communication history, while also applying theoretical insights into the literary analysis.
 
Review
“An engaging discussion of how the developments of the nineteenth-century communications revolution changed the ways in which writers in the United States came to understand the categories of solitude and loneliness in the middle decades of the century.”
—Les Harrison, author of The Temple and the Forum: The American Museum and Cultural Authority in Hawthorne, Melville, Stowe, and Whitman


“In its reclamation of solitude as a productive state of being, Modernizing Solitude joins recent writing that argues for a degree of off-the-grid, more meditative existence to curb social media addiction. As such, it would appeal to those who seek models of moderation, or who are at least curious about the ways in which historical figures negotiated their media consumption in order to remain productive individuals.”
—John M. Picker, author of Victorian Soundscapes

About the Author

Yoshiaki Furui is an associate professor of English at Rikkyo University in Tokyo. He has published scholarship in Journal of American Studies, Texas Studies in Literature and Language, and Leviathan: A Journal of Melville Studies.

2018年5月29日火曜日

公開講演会のお知らせ

来月6/20(水)の18:30より、立教大学池袋キャンパスにおいて公開講演会を行うこととなりました。米国ユタ大学教授、ステイシー・マーゴリス氏によるご講演です。申し込み不要ですので、是非お誘い合わせのうえお越しください。

また講演に先がけて、17時より懇親会を行います。参加ご希望の方は、私まで(yfurui☆rikkyo.ac.jp:☆を@に変更して下さい)ご一報くださいますようお願い申し上げます。

詳細は以下に記しますが、次のHPでもご覧いただけます:http://www.rikkyo.ac.jp/events/mknpps000000j14c.html
 
ーーーー
詳細

日 時 : 
2018年6月20日(水)18:30~20:30

場 所 : 
立教大学池袋キャンパス 本館1203教室

名 称 : 
The American Innocence Project: Future Generations from the Founders to The Village

内 容 : 
アメリカにおける未来の世代への義務意識を、建国の父トマス・ジェファソンにまで遡り、その思想史的起源を探る。ジェファソンは「大地は死者ではなく生きている人々に属する」という有名な言葉を残し、その後のアメリカにおける世代間正義論に大きな影響を及ぼした。映画『ヴィレッジ』(2004)を題材に取りながら、ジェファソンの遺産がいかに現代にまで受け継がれているかを検証する。
使用言語は英語(通訳なし)。

Stacey Margolis: 
米国ノースウェスタン大学(B.A.)、シカゴ大学(M.A., Ph.D.)に学び、2003年よりユタ大学英文学科で教鞭をとる。現在、同大学同学科教授。2018年より、米国における著名学術誌 J19: The Journal for Nineteenth-Century Americanists 共同編集長に就任、19世紀アメリカ文学研究の牽引者と目されている。主著に、The Public Life of Privacy in Nineteenth-Century American Literature (Duke UP, 2005)、Fictions of Mass Democracy in Nineteenth-Century America (Cambridge UP, 2015) がある。

2018年2月24日土曜日

単著が出版されます

私にとって初の単著がアメリカの大学出版局から出版されます。タイトル、出版社等の詳細は以下の通りです:

Modernizing Solitude: The Networked Individual in Nineteenth-Century American Literature (Tuscaloosa: University of Alabama Press, forthcoming 2019)

去年の夏明け頃に出版契約書にサインしたのですが、ようやく最終タイトルが決まったので、このタイミングでのお知らせとなりました。出版自体は来年の一月を予定しています。

本書は、私が2015年にエモリー大学に提出した博士論文を改稿したものになります。この本では様々な作家を扱っているのですが、主に Henry David Thoreau, Harriet Jacobs, Herman Melville, Emily Dickinson, Henry Jamesらの諸作品を、孤独(solitude)というテーマを軸に論じています。

アメリカで研究書を出すのは留学時代からの大きな目標だったので、それが実現することになり、大変嬉しく思います。

ただ、出版契約に至るまでは苦労の連続でした。周りにアメリカでの学術出版を経験したことがある人がいなかったので、すべてが手探りでした。企画書を面識もない編集者に送るところから始まり、編集者が興味を持ってくれたら原稿を送り、匿名の査読を通過したら、その後に編集会議での投票があり. . . .と、いかに学術書を出版するのが大変か、身にしみてわかりました。

特に苦労したのは査読の通過で、アメリカの学術出版は基本的に二人の査読者から出版の推薦を取り付けないと、先に進めません。一人がOKを出しても、もう一人がNoといえばそれまでです。たとえ二人の査読を通っても、詳細な査読コメントに基づいて書き直しが要求されます。

苦労話はこれくらいにしておきます(こういう情報は、海外での出版を目指す人にはもしかしたら有用かもしれません)。今後はカバーデザインやゲラのチェックなど、本格的なproductionの段階に入っていきます。また詳細が決まり次第、こちらでお知らせします。

『週間読書人』で拙著が取り上げられました

12月20日刊行『週間読書人』の「2024年回顧--収獲動向」という特集で、拙著『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』が取り上げられました。評者は福岡女子大学の長岡真吾先生です。 「海外学術誌に掲載された論文を日本語にしてまとめた精緻な労作」と紹介してくださっています。ありがとう...