Modernizing Solitude: The Networked Individual in Nineteenth-Century American Literature (Tuscaloosa: University of Alabama Press, forthcoming 2019)
去年の夏明け頃に出版契約書にサインしたのですが、ようやく最終タイトルが決まったので、このタイミングでのお知らせとなりました。出版自体は来年の一月を予定しています。
本書は、私が2015年にエモリー大学に提出した博士論文を改稿したものになります。この本では様々な作家を扱っているのですが、主に Henry David Thoreau, Harriet Jacobs, Herman Melville, Emily Dickinson, Henry Jamesらの諸作品を、孤独(solitude)というテーマを軸に論じています。
アメリカで研究書を出すのは留学時代からの大きな目標だったので、それが実現することになり、大変嬉しく思います。
ただ、出版契約に至るまでは苦労の連続でした。周りにアメリカでの学術出版を経験したことがある人がいなかったので、すべてが手探りでした。企画書を面識もない編集者に送るところから始まり、編集者が興味を持ってくれたら原稿を送り、匿名の査読を通過したら、その後に編集会議での投票があり. . . .と、いかに学術書を出版するのが大変か、身にしみてわかりました。
特に苦労したのは査読の通過で、アメリカの学術出版は基本的に二人の査読者から出版の推薦を取り付けないと、先に進めません。一人がOKを出しても、もう一人がNoといえばそれまでです。たとえ二人の査読を通っても、詳細な査読コメントに基づいて書き直しが要求されます。
苦労話はこれくらいにしておきます(こういう情報は、海外での出版を目指す人にはもしかしたら有用かもしれません)。今後はカバーデザインやゲラのチェックなど、本格的なproductionの段階に入っていきます。また詳細が決まり次第、こちらでお知らせします。