メルヴィルに関する論文がジャーナルに受理されました。Cambridge University Press から出ている、Journal of American Studies という雑誌です: https://www.cambridge.org/core/journals/journal-of-american-studies。
これで英語圏での論文は5本目となりますが、これまでで一番規模が大きい発表媒体かもしれません。しかし、なんと掲載予定は2019年(!)ということで、出版されるのは今から2年くらい先の予定です。英語圏の媒体に発表するのは、広範な読者に読まれるという利点もありますが、なかなかスピーディーに出版されない、というデメリットもありますね。
論文タイトルは "Bartleby's Closed Desk: Reading Melville against Affect" というものです。アフェクト理論によっていかにメルヴィル作品を読むことができるのか、あるいはできないのか、という問題、さらにはアフェクト理論の文学研究への応用可能性という大きな問題についても論じています。扱っている作品は、"Bartleby," "Benito Cereno," The Confidence-Man の三つですが、主に "Bartleby" 論となっています。
これまでの私の仕事では、文学テクストを歴史的文脈と関係付ける論文が多かったのですが、今回の論文は「アフェクト理論」という理論を中心に扱ったものとなっており、自分としては新たなチャレンジのつもりで書きました。それが今回の結果につながったことはとても嬉しく思います。
今回の論文は、2016年6月に日本英文学会関東支部のメイン・シンポジウムで発表したことがきっかけとなりました。「近代と情動−−文学、美学、哲学、心理学の相互交渉をめぐって」というタイトルのシンポでした。詳細はこちらから:http://d.hatena.ne.jp/melanie-ji-woo/20160422。
このシンポにお声がけくださり、アフェクト理論について考える機会をくださった成蹊大学の遠藤不比人先生には、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。
2017年7月18日火曜日
『週間読書人』で拙著が取り上げられました
12月20日刊行『週間読書人』の「2024年回顧--収獲動向」という特集で、拙著『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』が取り上げられました。評者は福岡女子大学の長岡真吾先生です。 「海外学術誌に掲載された論文を日本語にしてまとめた精緻な労作」と紹介してくださっています。ありがとう...
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一人の研究者が書いたものを、時系列順に読み進めてゆく-- そんな経験はあるでしょうか。 先日、紀伊國屋書店で阿部幸大さんとの対談が開催されましたが(お越しいただいた方々、ありがとうございました)、事前準備として、阿部さんが書いた論文を8本ほど時系列順に読むことで、「阿部幸大研究」...
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阿部幸大さんの『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』をご恵投いただきました。7月24日に発売予定のご本です: https://amzn.asia/d/0gxDM3a8 。 このブログは私の仕事の告知用に運用しているので、他の方のお仕事を紹介したことはないのですが、こ...
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公開からずいぶん時間が経ってしまいましたが、筑波大学の阿部幸大さんがブログで「古井義昭『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』の取扱説明書」というタイトルの書評を書いてくださいました: https://abc-kd.hatenablog.com/entry/2024/03/09/1...