2023年12月31日日曜日

2023年の仕事

備忘録を兼ねて今年の振り返りをします。

今年はなにより、サバティカル中にメルヴィルに関する和文単著の出版が決まったことが大きかったです。来年の二月〜三月ころに出版予定で、すでに初校ゲラを出版社に返したところです。詳細が決まったらこちらでも告知します。

査読論文投稿も頑張っているのですが、現在のところ未公刊の論文が2本あるものの、いずれもリジェクトされてしまいました。そのうち一本はmajor revisionを要求されているので、頑張って改稿に応じるか、別のところに投稿しようか検討中です。何年研究していても、一本の論文を出すというのは大変だなとしみじみ思います。

というわけで、今年は何も活字として出版されたものはありませんでした。今年の活動を以下にまとめます:

口頭発表
*"Networked Solitude in American Literature & Culture." Fulbright Outreach Lecturing Fund, Huston Christian University, 2023年4月5日(招待講演)

*"Asylum America: Exclusion of Others in Crèvecoeur and Brockden Brown." The Thirteenth Biennial Conference of the Society of Early Americanists, University of Maryland, 2023年6月9日

イベント企画・司会
*“Transpacific Perspectives on Nineteenth-Century American Literature.” Ki Yoon Jang, Paul Hurh, Yumiko Koizumi, 2023年2月19日(Zoom)

*"Seven-Day Rhythms and the Concept of the Everyday in U.S. History." David M. Henkin, 2023年12月20日(立教大学)

以上です。現在決まっている仕事としては、共著二つ、海外の共著一つがあります。依頼していただける仕事も大事ですが、やはり自分の意志で書き、匿名で実力のみが試される査読論文というものを重視することに変わりありません。英語と日本語、依頼仕事と投稿論文など、さまざまなバランスを考えながら仕事していきたいと思います。

2023年12月3日日曜日

講演会のお知らせ

David M. Henkin氏 公開講演会

19世紀アメリカ史研究者のDavid M. Henkin氏(UC Berkeley)を立教大学にお招きして、公開講演会を開催いたします。事前登録不要、参加費無料で、どなたもご参加いただけます。

【講演タイトル】 Seven-Day Rhythms and the Concept of the Everyday in U.S. History (七日のリズムとアメリカ史における「日常」の概念) 

【概要】 「週」という自然世界と無関係な時間サイクルは、20世紀になって時間のグローバルな基準となった。しかし、七日で時間を区切るという習慣は実のところ古来から存在しており、さまざまな社会でそれぞれに独自の役割を担ってきた。本講演は、19 世紀アメリカにおいて「週」という概念がどのような役割を果たしたのかを検討し、さらには現代の我々が日常を表現するためにこの時間的単位を使用することの意味についても考察する。使用言語は英語 (通訳なし)。 

【日時】 2023年12月20日(水)17:20~18:50 

【会場】立教大学池袋キャンパス本館1203教室 主催:立教大学文学部文学科英米文学専修 後援:立教大学アメリカ研究所 

*お問い合わせは古井義昭「yfuruiアットマーク rikkyo.ac.jp」まで。 

*講演会終了後、講師を囲んで立食レセプションを行います(50名先着順・無料)。参加ご希望の方は、こちらからお申し込みください: https://forms.gle/LGJSKUpYT69wtxfC7




『週間読書人』で拙著が取り上げられました

12月20日刊行『週間読書人』の「2024年回顧--収獲動向」という特集で、拙著『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』が取り上げられました。評者は福岡女子大学の長岡真吾先生です。 「海外学術誌に掲載された論文を日本語にしてまとめた精緻な労作」と紹介してくださっています。ありがとう...