メルヴィルのIsarel Potterについて論じた論文が、テキサス大学出版局発行のTexas Studies in Literature and Language誌に掲載されました。Project Museからダウンロード可能です:https://muse.jhu.edu/article/857553。アクセスできないという方は、メールをいただければファイルをお送りいたします。
要旨は以下の通りです:
This essay reads Herman Melville's Israel Potter by attending to the eponymous character's feeling of loneliness as an exile, which compels an examination of the relationship between individual and community. Building on Jean-Luc Nancy's concept of "inoperative community," which emerges between the dead and the living, I argue that the community proposed in Israel Potter is informed by the belatedness that escapes containment by a political institution.
Israel Potterは非常に思い入れのある小説で、いつか論じてみたいと思っていました。最初に読んだのは修士課程の一年生だったと記憶していますが、その時に主人公イズラエルのlonelinessに心打たれたのを覚えています。ただ、そういう個人的印象をどう論じればいいのか、昔はまったく分かりませんでした。今この作品を読んでもlonelinessに心打たれて感動するのは一緒で、要するに、読んで受ける個人的な印象や感動は変わらず(感性が変わっておらず)、それを言語化したり、論にする技術や知識が身についたということなんだと思います。
今月末にパリで国際メルヴィル学会があり、この論文に基づいた内容で発表を行う予定です(ただしリモート参加)。