2020年11月27日金曜日

『白鯨』論が出版されました

 Criticism誌の最新号に『白鯨』論が掲載されました。書誌情報は以下のとおりです:

Furui, Yoshiaki. "Lonely Individualism in Moby-Dick." Criticism, vol. 62, no. 4, pp. 599-623. 

オンラインアクセス 

Project Muse:  https://muse.jhu.edu/article/774762/pdf

JSTOR: https://www.jstor.org/stable/10.13110/criticism.62.4.0599?seq=1#metadata_info_tab_contents

単著Modernizing Solitudeで展開した議論の延長線上として、アメリカ文学における個人主義をlonelinessという感情の側面から検討した論文です。自分なりにある程度満足のいくクオリティーに仕上がったと思うので、多くの方に読んでいただきたいと思います。

おそらく、最初に原稿をあるジャーナルに投稿したのが2年半前くらいです。しかし、あともう少しのところでそのジャーナルに落とされ、改稿を経てCriticismに投稿し、改稿指示を受けてもう一度投稿し、ようやくアクセプトされました。

苦労のすえ論文を出して毎回思うのは、自分は査読文化というものに育てられてきたな、ということです。名前も顔もわからない査読者に厳しいコメントをもらい、ダメ出しをされるというのは、自分にとってはよい論文を書く上で欠かせない過程です。

容赦なくダメ出しをされるのは辛くもありますが、そういう場所に身を置かないと成長しないと思うので、今後も地味に査読論文を積み上げていきたいと思います。

論文にアクセスできない方は、個別にメールをいただければファイルをお送りします。

今後の目標:アメリカの大学出版局から単著を出します

今後の長期的な目標を自分のなかで定めたので、自分を追い込む意味でも公の場で記しておきます。 40代のうちに、アメリカの大学出版局から研究書を出版します。 昨年の3月に『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』を出版してから早くも一年近くが経過しましたが、ここ半年ほど、次はいったい何を...