2025年5月20日火曜日

『誘惑する他者』書評

アメリカ学会発行の『会報』第217号の新刊紹介欄にて、『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』が取り上げられました(p. 16)。評者は鈴木一生先生です。オンラインでも公開されています:https://www.jaas.gr.jp/wp23/wp-content/uploads/2025/05/%E4%BC%9A%E5%A0%B1217.pdf

短い書評ではありますが、限られた紙幅の中で、本書で私が強調したかったポイントを掬い上げてくださいました。「倫理の一般性を振りかざすのではなく、あくまで作品側から抽出される倫理の個別性や流動性にこだわる古井氏の姿勢は、多くの文学研究者を勇気づけてくれる」と書いてくださいましたが、この評に私自身が勇気づけられました。

一般論を導くのではなく、あくまで作品読解を通じて個別具体性を提示することが文学研究者の仕事であると再認識した次第です。ありがとうございました。




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