2020年11月27日金曜日

『白鯨』論が出版されました

 Criticism誌の最新号に『白鯨』論が掲載されました。書誌情報は以下のとおりです:

Furui, Yoshiaki. "Lonely Individualism in Moby-Dick." Criticism, vol. 62, no. 4, pp. 599-623. 

オンラインアクセス 

Project Muse:  https://muse.jhu.edu/article/774762/pdf

JSTOR: https://www.jstor.org/stable/10.13110/criticism.62.4.0599?seq=1#metadata_info_tab_contents

単著Modernizing Solitudeで展開した議論の延長線上として、アメリカ文学における個人主義をlonelinessという感情の側面から検討した論文です。自分なりにある程度満足のいくクオリティーに仕上がったと思うので、多くの方に読んでいただきたいと思います。

おそらく、最初に原稿をあるジャーナルに投稿したのが2年半前くらいです。しかし、あともう少しのところでそのジャーナルに落とされ、改稿を経てCriticismに投稿し、改稿指示を受けてもう一度投稿し、ようやくアクセプトされました。

苦労のすえ論文を出して毎回思うのは、自分は査読文化というものに育てられてきたな、ということです。名前も顔もわからない査読者に厳しいコメントをもらい、ダメ出しをされるというのは、自分にとってはよい論文を書く上で欠かせない過程です。

容赦なくダメ出しをされるのは辛くもありますが、そういう場所に身を置かないと成長しないと思うので、今後も地味に査読論文を積み上げていきたいと思います。

論文にアクセスできない方は、個別にメールをいただければファイルをお送りします。

2020年11月22日日曜日

講演のお知らせ

12月12日(土)に、 アメリカ文学会九州支部12月例会にて講演を行います:http://www.als-j.org/contents_1847.html。

詳細を抜粋すると以下の通りです:

日時:2020 年 12 月 12日(土)14 時00分から 17時00分 

場所:Zoom 会議(九州工業大学 Web 会議室)

接続先 URL、ミーティング ID、パスワードは例会前日に KALS のメーリングリスト を通じてお知らせします。恐れ入りますが、各自で Zoom 会議ができる環境を整えて おいて下さい。

[講演] 15 時 20 分から 16 時 40 分

講師:古井義昭(立教大学) 「メルヴィル文学における他者の深層——『タイピー』を中心に」

 司会:高橋勤(九州大学)

なお、支部会員以外の方には、オンラインミーティング用の接続先URL、ミーティングID、パスワードをお知らせいたしますので、以下までお問い合わせください。

【問い合わせ先】大野瀬津子 ohno[@]dhs.kyutech.ac.jp ([@]を@に変えてください)

私は現在、メルヴィルに関する日本語単著を出版すべく、これまで発表したメルヴィル論文を修正したり、新たなメルヴィル作品論を執筆中です。今回発表させていただくのは、未発表の『タイピー』論となります。

支部会員の方以外も参加可能とのことですので、ご興味があればご参加ください。

『週間読書人』で拙著が取り上げられました

12月20日刊行『週間読書人』の「2024年回顧--収獲動向」という特集で、拙著『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』が取り上げられました。評者は福岡女子大学の長岡真吾先生です。 「海外学術誌に掲載された論文を日本語にしてまとめた精緻な労作」と紹介してくださっています。ありがとう...