2017年7月30日日曜日

研究発表を終えました

昨日は、成蹊大学で研究発表を行いました:http://shimokobe.net/md2/。発表にお招き頂いた下河辺美知子先生には、深く感謝申し上げる次第です。

発表は、先日アメリカで出版されたメルヴィルの John Marr 論を手短にまとめたものが主たる内容でしたが、冒頭では2015年に提出した博士論文の内容についても説明させていただきました。

参加者の多くの方々から有益なコメントをいただき、今後の研究に繋がる刺激をいただきました。来て頂いた方々、質問をくださった方々に感謝です。

ソローがご専門である明治大学の山本洋平さんが、さっそく私の発表内容をブログでまとめていただきました:http://cafe-melville.blogspot.jp/2017/07/john-marr.html。手際よくまとめてくださっているだけでなく、内容にも深く切り込んだ記事となっており、発表者としては、こんなに真剣に聴いてくださったことがとても嬉しいです。発表者冥利につきます。

2017年7月18日火曜日

論文が受理されました

メルヴィルに関する論文がジャーナルに受理されました。Cambridge University Press から出ている、Journal of American Studies という雑誌です: https://www.cambridge.org/core/journals/journal-of-american-studies

これで英語圏での論文は5本目となりますが、これまでで一番規模が大きい発表媒体かもしれません。しかし、なんと掲載予定は2019年(!)ということで、出版されるのは今から2年くらい先の予定です。英語圏の媒体に発表するのは、広範な読者に読まれるという利点もありますが、なかなかスピーディーに出版されない、というデメリットもありますね。

論文タイトルは "Bartleby's Closed Desk: Reading Melville against Affect" というものです。アフェクト理論によっていかにメルヴィル作品を読むことができるのか、あるいはできないのか、という問題、さらにはアフェクト理論の文学研究への応用可能性という大きな問題についても論じています。扱っている作品は、"Bartleby," "Benito Cereno," The Confidence-Man の三つですが、主に "Bartleby" 論となっています。

これまでの私の仕事では、文学テクストを歴史的文脈と関係付ける論文が多かったのですが、今回の論文は「アフェクト理論」という理論を中心に扱ったものとなっており、自分としては新たなチャレンジのつもりで書きました。それが今回の結果につながったことはとても嬉しく思います。

今回の論文は、2016年6月に日本英文学会関東支部のメイン・シンポジウムで発表したことがきっかけとなりました。「近代と情動−−文学、美学、哲学、心理学の相互交渉をめぐって」というタイトルのシンポでした。詳細はこちらから:http://d.hatena.ne.jp/melanie-ji-woo/20160422

このシンポにお声がけくださり、アフェクト理論について考える機会をくださった成蹊大学の遠藤不比人先生には、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。

『週間読書人』で拙著が取り上げられました

12月20日刊行『週間読書人』の「2024年回顧--収獲動向」という特集で、拙著『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』が取り上げられました。評者は福岡女子大学の長岡真吾先生です。 「海外学術誌に掲載された論文を日本語にしてまとめた精緻な労作」と紹介してくださっています。ありがとう...