2024年6月18日火曜日

論文が受理されました

メルヴィルの『戦争詩集』に関する論文が、ケンブリッジ大学出版局発行のJournal of American Studiesにアクセプトされました。このジャーナルに載せてもらうのは「バートルビー」論を載せて以来、二度目になります。

なかなか掲載が難しいジャーナルということもあって、喜びもひとしおです。違うジャーナルに一度はリジェクトされたこともあり、長い闘いでした。海外ジャーナル掲載に興味がある人のために、今回の掲載受理までのタイムラインを記します。

2022年3月:論文書き始め

2022年11月:とあるジャーナルに投稿

2023年6月:リジェクト通知

2023年8月:JASに投稿

2023年12月:査読結果通知。major revisionを求められる

2024年3月:修正稿を投稿。再査読

2024年6月:アクセプト!

というわけで、投稿から掲載まで一年半以上かかりました。

改稿要求がなかなか対応するのが難しいもので、かなり苦しかったです。もう諦めようと思ったりもしたのですが、ダメもとで歯を食いしばりながら書き直しました。結果的に諦めずよかったです。アクセプトの通知が来て、思わず「よっしゃ!」と叫んでしまいました。

これで海外ジャーナルでの論文掲載は10本目になりますが、毎回苦労は変わらないし、アクセプトされたときの喜びは何にも変え難いものがあります。やはり、目に見えない遠くの誰かを自分の文章(しかも英語という外国語)で説得できたということは、研究者として大きな自信になります。内輪向けの文章や論理では査読には通りません。

実際の掲載までまた時間がかかると思いますが、久しぶりに査読論文を通せてホッとしています。最近は海外での英語査読論文を出せていなかったので、まだ自分にその力があることが確認できたと言いますか。特に最近はメルヴィル単著も含めて日本語の仕事が多かったので、英語と日本語の両方で発信し続けることの難しさも感じているところです。

最近は依頼仕事に対応するので手いっぱいなのですが、査読論文の執筆も継続的に続けていきます。学会の仕事で人の論文を査読する機会も増えてきましたが、自分自身も常に査読され審査される側にいたいと思っています。

『週間読書人』で拙著が取り上げられました

12月20日刊行『週間読書人』の「2024年回顧--収獲動向」という特集で、拙著『誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理』が取り上げられました。評者は福岡女子大学の長岡真吾先生です。 「海外学術誌に掲載された論文を日本語にしてまとめた精緻な労作」と紹介してくださっています。ありがとう...