2020年10月12日月曜日

第5回日本アメリカ文学会賞を受賞しました

このたび、著書Modernizing Solitude: The Networked Individual in Nineteenth-Century American Literature (University of Alabama Press, 2019)により、第5回日本アメリカ文学会賞を受賞しました。アメリカ学会「第25回清水博賞」に続いての受賞となります。

勤務先の立教大学のHPでも宣伝してもらいました:https://www.rikkyo.ac.jp/news/2020/10/mknpps000001c4p1.html

HPに寄せた私のコメントを引用します:

アメリカで出版された研究書ではありますが、本書において私は、留学先のアメリカで身につけた文学研究の方法論と、日本で培った文学作品の精読の二つを架橋しようと試みました。日本的な要素を多分に含む本書が、日本の学会から名誉ある賞を受賞できたことは大きな喜びです。

このコメントにある通り、アメリカで出版された本書はアプローチの面ではアメリカのアカデミズムに寄り添いつつ、その一方で日本的な文学読解の姿勢も貫いており、いわばハイブリッドのような本になっているのではないかと思います。

実はこの本が日本的である、という点は、これまで何度か開いていただいた合評会や、個人的にお寄せいただいたご感想を通じて気づいたものです。本を必死で書いているときは、そのようなことはまったく考えていませんでした。貴重なコメントをくださった方々にも、この場を借りて御礼申し上げます。

次は日本語での単著(メルヴィル論)を出すのを目標にしており、ここ数年で形にしたいと思っています。この度の受賞を励みに頑張ります。

阿部幸大さんの新著に推薦文を寄せました

阿部幸大さんの新著 『ナラティヴの被害学』(文学通信) が手元に届きました。画像のとおり、この本に私が推薦文(blurb)を寄せています。 面白いのが、帯を外しても推薦文が表紙にそのまま印刷されていることです。これはアメリカの学術書を意識したもので、向こうの研究書も通例、表紙にそ...